大企業からベンチャー企業に至るまで、組織である以上規模に関わらず属人的になっていく傾向は否定できません。
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パレートの法則、2-6-2の法則と呼ばれるように、大きな企業であれば一部のプレーヤーに業績や業務が集中すること、ベンチャー企業であれば社長や役員クラスの働きが肝になるため、当然ですが特定の人に偏りが生じます。
もちろん、属人的=悪ということではありませんし、どの企業でもトッププレーヤーという人はいるものです。
しかし、組織という観点、さらに中長期的な視点で見ると、放置して良いことではないというのが一般的ではないでしょうか。目の前の売上は当然重要ですが、トッププレーヤーにのみ情報が集まる状態や離職時のリスクなどを考えると、何らかの対策が必要になってくるはずです。
さらに問題なのは、良いプレーヤーは必ずしも良いマネージャーではないことです。
優秀な成績の方がマネージャーへ昇格することが多いと思いますが、属人的なスタイルは部下が真似をすることが難しく、人を育てるためには営業とは別のマネジメントスキルが必要になります。
また、「出来る人は出来ない人のことがわからない」ということも問題の1つです。これは「出来る人」を責める問題ではないのですが、いわゆるミドルパフォーマー層が、どこにどのような問題を抱えているかの理解の妨げになることは確かです。
企業が成長するためには、人の成長が大事です。一部のトッププレーヤーに偏らせないためには、ミドルパフォーマー層の引き上げが重要になってきます。これは大半の企業に当てはまる顕在的課題ではないでしょうか。
組織が蓋をしている可能性
ミドルパフォーマー層の成長はどの企業でも望まれていることですが、企業側が能力の開花に蓋をしている場合があります。
・良いプレーヤーと良いマネージャーの混同
・属人的な教育方法
・形骸化したルールによる諦め感
・硬直した社風による閉塞感
・目の前の売上を追いかける短期的視点の蔓延
などなど、企業側が成長出来ない理由を作りあげているケースが見受けられます。また、この諸問題はマネジメント層の方がすでに気づいている場合も多くあるように思えます。
この問題の厄介なところは、企業が成熟する過程でどうしても出てくる問題であることです。逆に言えば、成熟していない企業では問題になりません。
このような問題を対処するにあたり最も難しいことは、いつ解決するか、ということではないでしょうか。
なぜならこの問題は緊急性が低く、重要度が高いため後回しになりがちだからです。
また、企業の成長過程で出る問題=根本的な問題のため、大きな変革(イノベーション)が必要になり、時間が経てば経つほど解決には相当なパワーが要求されることが容易に想像されることもあるでしょう。
しかし、会社の未来を考えてみてください。
もし、このような問題に思い当たる節があると感じたならば、貴社はさらに成長しようとしている段階であり、いまが変革の時です。
まとめ
・ミドルパフォーマーの成長は組織全体への貢献度が高い
・育成に関しては優秀な人を標準に考えない(属人化防止)
・問題を感じたら早めに対処を始める
とはいうものの、イノベーションを起こすには強い意志と行動力が必要です。
そこで、当社がお勧めするのは、ちょっとだけイノベーション、略して「ちょイノ」です。
組織すべてをいきなりガラッと変えようとするのではなく、小さな変革の積み重ねを大きなイノベーションにつなげていきましょう!ということです。
少人数で実験的にイノベーションを始めたり、ちょっとした施策などで効果検証をしながら、一歩一歩着実に組織を元気にしていきましょう!