前コラムはミドルパフォーマーの育成が組織に好影響を与えるという内容でしたが、ミドルパフォーマーといっても幅広く、成長が早い人もいれば時間がかかる人もいます。マネジメント層はそこを見極め、出来るだけ成長が早い人に注力し成果を出すことで、組織に対するインパクトを強く与えることができます。
では、どのような人の成長が早いのでしょうか。当社の経験では、
・現状に対する危機感が強い
・行動力が高い
・結果を求める意識が強い
このような方達の成長が早いという結果があります。
簡単に言えばやる気を分解したものなのですが、気を付けなければならないことがあります。それは、やる気や成長意欲といった、少なからず誰にでもあるものの濃淡の見極めです。
常識的に考えて、もっと成長したいと思うか?というマネージャーからの質問に対して、このままでいいですと答える人は少ないでしょう。しかし、それが危機感というレベルにまでなっているか判断しなければなりません。
判断するポイントはいくつかありますが、下記の3項目はもっとも注意しなければなりません。
1.実績
2.行動力
3.変革を継続する意志
1に関しては、ミドルパフォーマーの中でも実績が低い人は、危機感は高くても営業の基礎ができていない可能性があり、イノベーションメンバーになるための基礎の育成に時間を割く必要が出てきてしまいます。また、逆にそれなりに実績が高い人は、成長意欲はあっても危機感になっておらず、現状からの脱却に本気で取り組む意志が薄い可能性があります。
また、このままで本当に良いのか、という危機感を醸成するのもマネジメント層の役割です。理想はメンバーが自発的に思うことですが、兆しがある人がいれば、それを顕在化していくことも必要です。
2は、マネジメント層からの指導を勉強と捉えてしまう傾向がある人を指します。当然ながらマネジメント層からの指示や指導は、必ずしも百発百中ではありません。PDCAサイクルを回し、プロセスをチェックしながら効果検証→改善していく必要があります。また、その中で起きる失敗もノウハウになります。
マネジメント層が中心となって新しい戦略戦術(Plan)を立て、現場メンバーが行動(Do)することにより回り始めるわけですから、新規の取り組みを現状の行動に上乗せした時に、実際に行動に移せるかどうかがポイントです。
3は意志についてですが、これは「変わる」意志と「続ける」意志が重要ということです。成果を出すために変革をするという視点はもちろん必要なのですが、1〜2ヶ月ですぐに数字につながるような新しい施策があれば、おそらくすでに誰かがやっています。単純に数字を残したいだけでしたら、目標を達成するかは分かりませんが、いままでのやり方で一定の数字は見込めるはずです。しかし、現状では目標を達成できないためにイノベーションをするわけですから、すぐに成果が出なくとも、いままでのやり方にこだわらず、この新しいプロジェクトは成功すると確信を持って中期的な視点で継続して取り組む意志が必要です。
まとめ
・表面的なやる気だけで判断せず、危機感に着目する
・危機感を醸成するのもマネジメントの役割
・3つの判断基準は三位一体で考える
・中長期視点に立つ
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