株式会社シーピーユー

組織の現状、正しく把握されていらっしゃいますか?

企業が健康経営をスタートし、「より高い生産性、より高い価値創造性」を持った組織に生まれ変わる為に、当社では最初に「社内アンケート調査」を活用することをおススメしています。

社内アンケート調査は、客観的に組織の状態を認識できる有効な方法です。様々な書籍が、組織課題に対して指摘や提言などを出していますが、実態が明確に分かることにより組織内で「何か行動を起こしたほうが良い」と自らが自覚することが変革への第一歩となります。
経営層にとっても、通常なかなか見えにくい社内の実態を把握する絶好の機会となりますので、このコラムをお読みいただき、是非とも実態調査を実施していただきたいと思います。

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健康経営スタート前の実態調査

健康経営を実行を移す前に当社でも、従業員の「健康」の周辺環境の調査を実施しています。
「健康」というと、ほとんどの方は健康診断の結果が良いなどの「身体的な側面」を考えるかもしれませんが、健康は、何も身体的なものだけではなく、精神的な要因や社会的な要因によっても左右されます。
参考までに、当社による実際調査は、組織の現状と合わせて下記のような調査をしています。

【組織で働くことへの調査】

例1)『業務に対するやりがい度』に関して

・自らの職務・役割を果たすことによる達成感、業務を遂行する上でのモチベーションを感じますか?

例2)『業務に対するやる気』に関して

・現在の仕事に対して挑戦し甲斐のあるもの感じますか?

例3)『業務に対する達成感・満足度』に関して

・自分の仕事に対する自己の達成感があり、またそれを正当に評価されていると感じていますか?

※回答は強く感じる、感じている、感じている時もある、あまり感じない、全く感じないの5段階

 

【身体的健康に関わる調査】

例4)日ごろから身体を動かしていますか?

例5)睡眠時間は足りていますか?

例6)晩ご飯を召し上がる時間で多いのは何時ぐらいでしょうか?

例7)部位別(目/首/腰/肩など)での疲れに対して教えてください。

 

【精神的健康に関わる調査】

例8)仕事に対するストレスを感じますか?

例9)ストレスを感じる要因は何ですか?(人間関係編)

例10)ストレスを感じる要因は何ですか?(その他編)

例11)ストレス発散方法をご自身で見つけられていますか?

 

上記は調査項目の一例です。

なお、調査をする際には上記の質問を基本として、企業様ごとで「仮説として課題と感じること」を立証するための質問を盛り込んでいただきたいと思います。
仮説や目的を明確にしていない調査は、結果が活用しにくいものになってしまいます。

今回のコラムでは、弊社が調査した20~50名ほどの企業での集計データを元に、身体的・精神的課題に絞って一般的な企業でありがちな課題をお話しします。

身体的健康に関わる調査に関して

調査で明らかになったことは、どの企業にも1~2割程度の従業員の方が、下記のような明らかに健康を害する可能性が高い生活習慣を慢性的に行なっているということです。

・運動をほとんどしていないと答える人
・毎日が慢性的に睡眠不足であると答える人
・晩ご飯を21時以降でしか取らない人

運動も睡眠も食事も、一見すると業務には影響しないと考えがちですが、その影響は必ず身体の疲れに出てきます。

また、下記は、実際にある会社でとった身体の部位別の「疲れ」をアンケートしたものですが、「毎日疲れが出ている」と答えている人がほとんどの部位で見受けられることが分かります。

 

 

特に企業で働く人で多い部位別痛みは、「腰痛」や「肩などのコリ」ですが、弊社では、症状が出ている人に対して、必ず後追い面談を当人と実施しています。
面談を通して共通して言われることは、『何らかの身体的な疲れは業務に影響し、100%健康な状態からするとおよそ70%ぐらいの仕事量と質になる』ということです。

あくまでも本人の実感ではありますが、身体的な課題が毎日ある方が組織には10~20%ほど存在し、かつ70%ほどの生産性になっている可能性があることは、会社としてすぐにでも対応をしたほうがよいことなのではないでしょうか。

精神的健康に関わる調査に関して

現在は、ストレスチェックも義務化になっており、調査をしている企業も多いと思いますが、ストレスに関して企業が見るポイントとして重要なことがあります。

1つ目は、「ストレスを感じる要因の検証」です。

組織である以上ストレスがあるのは当たり前ですが、当社の調査の結果、”ストレス社員”によりストレスが連鎖・増大しているという非常に厄介な事実があります。

例えば、ストレスを感じる要因が「社内の役割分担」だったとします。役割分担はコミュニケーションが無いとうまく機能しないものですが、ストレスフルな社員が増えれば増えるほど、この役割分担が出来づらい環境になり負のスパイラルに陥ります。
ストレスに関する調査は、単純にストレスが「ある/ない」だけでなく、原因を組織課題にあると仮説して深堀していく必要があります。

2つめは、「ストレス発散を従業員が出来ているか」という観点です。

調査を進めると実際に「ストレス発散が出来ている」と答える従業員は全従業員の3割程度ということが分かりました。
ストレス発散方法はもちろん個人によってバラバラですが、このストレス発散が出来ていない人の半数以上は、発散の仕方すら分からないという事実があります。

ストレスの連鎖に気がつかないまま、7割の方がストレス発散が出来ていない現状がある。
そのような会社を私はたくさん見てきました。

健康という側面だけでも、組織の生産性を阻害する要因がたくさんあります。健康というと「身体的な健康」ばかりに目が行きがちですが、精神的な健康、社会的な健康にも留意して原因究明を行わなければ根本的な解決はできません。

是非、経営者の方、人事の方は必ずこの事実に目を背けずに対策をしていただければと思います。

まとめ

・健康経営をスタートする前に是非組織の実態調査を

・調査は、仮説を元に聞く内容を組み立てる

・調査結果を元に、負のスパイラルになっている部分を見つけ課題解決をしていく