株式会社シーピーユー

昔から部下の指導や育成に悩む上司は多いと思いますが、とりわけ今はコンプライアンスやハラスメントなど以前より気を付けねばならないことが多く、一層難しい時代と感じます。
最近では指導される部下ではなく、その上司がストレスでうつ病になってしまったという話も聞きます。
いくら肩書きが上司であったり部下であったりしても、人間ですから相性はあると思いますし、好き嫌いがあっても仕事である以上逃げて通るわけにはいきません。
今回は、苦手な部下を育成するところに絞ってお話をしようと思います。

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苦手な部下の10の特徴

組織が大所帯であればあるほど、好きな部下もいれば嫌いな部下もいるでしょう。小さい組織でも、自分が望んだ人間が配属されるとは限りませんから、やはり同様に様々な人間関係があると思います。
それでも、上司である以上、すべての部下を育てる意識を放棄するわけにはいきません。

 

苦手な部下とは

色々な方に話をお聞きすると、大体このような特徴にまとめることができるようです。

 

1.嘘をつく
2.文句が多い
3.仕事ができない
4.指示したことをやらない
5.挨拶がない/態度が悪い/反省しない
6.コミュニケーションがない/ホウ・レン・ソウができない
7.やる気がない
8.他責思考
9.突発的な仕事をやらない
10.自分の仕事以外に興味がない、他の人の仕事を手伝わない

 

まず考えていただきたいのは、苦手な理由の原因が部下にあるのか、それとも上司自身にあるのか、ということです。
上の10個うち、5より後の特徴は、要するに部下が「自発的」「自律的」であるかどうかということがポイントになっています。逆に言えば、「自発的」「自律的」な部下は上司に好かれるということになるでしょう。

非常に重要なことですが、部下が「自発的」もしくは「自律的」であってほしいとなぜ上司は思うのでしょうか。

1.    自分に都合が良いから

2.    部下の成長やキャリアなど将来のことを考えているから

仮に「自分に都合が良いから」と考えている割合が高ければ、それは部下にバレています。恐らくその考えに付随した行動を取ってしまっているからです。

もちろん、まったく部下の成長を考えていない上司は珍しいと思いますが、自分に不都合な行為をされた時に起こる感情がイライラや怒りなのか、それとも部下にもっと成長して欲しいという願いなのか、どちらが大きいかでご自身で判断できるでしょう。

もし「自分に都合が良いから」という思いが強ければ、具体的な指導や育成の方法はともかく、まず考えを改める、もしくはそれが表に出ないようにしなければなりません。

数字に追われ、冷静に自己を振り返る時間を取ることがなかなか難しいのは承知していますが、今一度上司の役割は何か、どのような存在であるべきか考えて頂きたいと思います。

これが、1つ目のポイントです。

大切なのは「誠意」

さて、仮に苦手な部下がいた場合、実態はともかく上司が放置することは組織として許されません。何のためのマネージャーなのか、と言われてしまいます(これも責任の押し付け合いの場合もありますが)。
では、どうすれば良いのかというと、ハッキリ言って正解はありません。
なぜならば、同じ人間はいないからです。あえて言えば、「対機説法」が正解になるでしょう。

ですので、2つ目のポイントは、

「試してみる」

です。

仕事に対するモチベーションは本当に多様で、特に直近では働きやすい環境の会社が学生に人気のようです。が、中には厳しい環境を求めて激務の会社を選ぶ方もいます。つまり、人によってモチベーションの源泉はかなり異なるということです。

そのような中、最も行ってはいけないのが、個人の価値観の押し付けです。

自分はこうやって成長した、自分が思うあるべき部下の姿はこうだ、こうやって育てるのが正しいんだ、こんな部下は好きだ、こんな部下は嫌いだ等、共感が得られるかわからないものを押し付けても人は反発するだけです。自分の価値観が理解されるためには、上司が人間的に尊敬されていなければ難しいでしょう。

ですので、部下がどのような環境ならばモチベーションが上がり生産性が高まるのか、試行錯誤を繰り返すことをおすすめします。

例えば、

・厳しく管理する - 緩くする
・大きな仕事を任せる - 細かい仕事を与える
・褒める - 叱る

自分の育て方でうまくいかない、と悩んでいるよりは、「試している」と思えば多少気は楽になるのではないでしょうか。そもそもそんな簡単に他人が何を考えているかなど分かるものではありません。
そしていままでうまくいったことが今後もうまくいく保証もないのですから。
なお、部下が望む手法でマネジメントするのが正解ではありません。試した結果、生産性や良くなって欲しかった何かが向上したかどうかで判断をしましょう。
可能であれば、部下に「敢えて」マネジメント方法を変えていることを伝える方が良い結果を生みます。部下自身が自分の癖を分かると同時に、上司が育てる意識を持ち、公平に部下を見ていることが伝わるからです。
一律の手法で管理するのは一見公平に見えて楽ですが、それは上司の「都合」です。
本当の公平性とは、一人一人に合ったマネジメントを行うことではないでしょうか。

 

3つめのポイントは、

「赤心を推して腹中に置く」

これは、中国の後漢の建国者、光武帝のエピソードにある言葉です。

光武帝は自分に反乱した軍勢を味方にする手法を多くとったのですが、反乱軍からすれば「いくら味方にすると言われても、一度は逆らったのだから本当に処罰されないか?」という不安を常に持っていました。
それを感じた光武帝は、反乱軍を一旦本拠地に帰し、兵を整えさせた上でそこを軽装で視察することをしました。
恐らく、この時光武帝を殺すことは簡単だったでしょう。まだまだ乱世ですから、光武帝を殺せば自分が皇帝になれるかもしれません。
それでも光武帝は敢えて武装した敵の前に我が身を置くことで、信頼を勝ち得ました。
ここで先ほどの「赤心を推して人の腹中に置く」という言葉が元反乱軍から出たのです。ちなみに、その後は「安んぞ死に投ぜざるを得んや」と続きます。
下手な駆け引きをせず、赤心=まごころ、誠意を態度で示したことで、昨日まで戦ってきた人々を「あの人のためなら、命を投げ出してもかまわない」という気持ちにさせたのです。

光武帝の誠意は、決して独りよがりの誠意ではありません。「お前のためを思って…」とか「将来大変だと思うよ」といった言葉とは比べ物になりません。
また、部下に対して苦手や嫌いといった負の感情のまま接した際、それに対して部下にだけ負の感情を持たずにリアクションしろというのは虫がよいと思いますし、まず無理があります(表向きは従順かもしれませんが)。

例え苦手な部下がいたとしても、討伐した反乱軍ほど危なくはないと思いますので、負の意識を消して、誠意を証明する行動を見せることをおすすめします。

まとめ

上司や部下に関わらず、「苦手」や「嫌い」と言った認識は、それだけでストレスになってしまいます。その人が近づいてきただけで嫌な気持ちになってしまうこともあるでしょう。上司であれば結果的にその部下をダメにしてしまうこともあるでしょうし、自分がダメになってしまうこともあります。
そのようなことにならないよう、思い当たる節がある方はぜひ一度下記3点を試してみてください。

・どういうマインドで部下に接しているか振り返る

・両極のマネジメント手法を試行錯誤する

・最後は人間力。まごころを持って接する